福井県鯖江市:長年の取り組みを深化・進化させるには?

福井県鯖江市は、2021年 5月に「ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、2022年よりゼロ・ウェイスト・ジャパン代表理事の坂野が共同代表を務める、脱炭素人材育成のプログラム「Green Innovator Academy」にパートナーとして参画しました。同プログラムでは、鯖江市の職員2名と地域おこし協力隊が半年間の研修に参加したほか、大学生によるフィールドワークを受け入れるとともに、大学生による政策提言を受けました。
政策提言でも言及された、鯖江市内における継続的な廃棄物削減と資源循環の推進・フォローアップ、さらには、産業界との連携によるサーキュラーエコノミーの推進のための活動を実現すべく、取り組みが始まりました。
2023年度からゼロ・ウェイスト・ジャパンは鯖江市および、鯖江市における環境教育の推進主体であるNPO法人エコネットさばえとパートナーシップを結び、鯖江市内でのゼロ・ウェイスト活動推進を支援しています。

Green Innovator Academyホームページ|
https://green-innovation-project.com/

福井県鯖江市では、長年にわたり「エコネットさばえ」が地域の様々な環境活動に取り組んできました。また、ごみ問題の解決に向けて、市民団体による活動も活発に行われてきました。しかし近年では、コロナなどをきっかけに、また、市民団体のメンバーの高齢化により、活動が以前ほど活発に行われなくなっています。
そこで現在は、ゼロ・ウェイスト・ジャパンが全体のアドバイザーとしてプロジェクトマネジメントを行いながら、「Green Innovator Academy」の卒業生である大学生・大学院生が、毎年インターンとして1〜3ヶ月ずつ現地に滞在し、市内におけるこれまでのエコネットの取り組みを活かしつつ、今後の活動のさらなる推進と、持続的なフォローアップ体制の構築に向けた支援を行っています。

エコネットさばえホームページ|https://www.ecoplaza-sabae.jp/

具体的には2023年度より主に以下の3つの活動に取り組んでいます。

①家庭由来の生ごみ自家処理のさらなる促進
鯖江市ではこれまで、家庭での生ごみの自家処理を促進する取り組みが盛んに行われてきました。これは、ごみの減量に直結する重要な活動です。その結果、燃やすごみの排出量は年々減少してきていますが、市が目標とする削減量にはまだ届いておらず、さらなる排出量の削減が課題となっています。
こうした背景のもと、インターン生が現状を把握するための調査や啓発活動に取り組みました。まず、「生ごみの自家処理」に関するアンケートを実施し、実際の排出状況を把握しました。
また、生ごみだけでなく、落ち葉などの有機ごみの排出量にも着目し、落ち葉や草などを堆肥にする「木枠コンポスト」の導入促進や、導入後のフォローアップにも取り組みました。
さらに、家庭用生ごみ処理機の導入者に対する実態調査も行い、より具体的な課題の把握と今後の改善に向けた情報収集を進めています。

②スーパー等の事業所と連携した資源回収促進

鯖江市では、マンションやアパートなどの集合住宅から出るごみは、家庭ごみではなく事業系ごみとして回収されています。そのため、分別ルールも家庭ごみに比べて簡易的に行われており、廃棄物の削減と資源化の促進には課題がありました。
こうした状況を受けて、地域のスーパーや事業所と連携し、家庭や店舗から出る資源ごみの分別・回収を促進する取り組みを行いました。買い物の動線や市民の行動に注目し、事業者の協力を得ながら、資源の店頭回収を行っている店舗をマップにしたり、店舗からの廃棄物の資源化への後押しをするなど、資源化をするめるための環境づくりに取り組んでいます。また、市内でどのようなリユースやリペアの事業が行われているかを調査し、リユース・リペアできる場所を店頭回収と同じくマップ化する活動も行いました。

③ものづくりにおける廃棄物の見える化

眼鏡や漆器、繊維で有名な「ものづくりのまち鯖江」で、これまで把握されていなかったものづくり工程における廃棄物の種類や量について、各企業から得たデータをもとに「資源プロファイル」を作成しました。
今後は、このデータをもとに、製造過程で生まれる廃棄物を“資源”として活用する動きにつなげ、「ものづくりのまち鯖江」のサーキュラーエコノミーをさらに推進していくことが期待されます。

2023年度取り組み紹介https://www.city.sabae.fukui.jp/kurashi_tetsuduki/sizen/kankogyosei/Kankyo0120240410.files/econet43.pdf

*ゼロ・ウェイスト・ジャパンではGreen Innovator Academyを運営する一般社団法人Green innovationとともに、地域における脱炭素を推進する人材を育成し、卒業生に対して各地で活躍する場を提供しています。






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